[読書メモ]『ハイブリッド外交官の仕事術』

p4
他人と同じでは駄目、ということです。物事を他人と同じように見ているかぎり、人より先にビジネス・チャンスを見つけることはできないからです。チャンスとは自ら取りに行くものでしょう。

p6
日本では今も、他人と違う発想で異なる意見を述べることにはかなりの勇気が必要です。

p28
大学留学中からつねに自分に言い聞かせてきたことは、とにかく日本人と「群れない」こと。これが鉄則でした。

p30
出会いは「あくまで自然」でなければなりません。あなただって、自分との「コネ」作りを狙っていることが見え見えの相手には容易に心を許さないでしょう。

p31
相手に、「こいつと会うと、いろいろ勉強になる」と思わせることが重要なのです。これで相手と相手との再会が実現する可能性は飛躍的に高まるでしょう。

p51
彼は米国人には珍しい、冷戦沈着で知的な男で、そのかなり難解な知的ジョークが私はいつも好きでした。

pp61-62
交渉相手の言葉を少しでも勉強すれば、その国の民衆の常識と非常識、論理と感情がわかってきます。そうなれば、いずれあなたは、相手の立場に立って相手の発想を予想し、その交渉を有利に進めることができるようになるのです。語学が能力を作り、そうした能力こそがキャリアを作るという強い信念を持つべきです。

p67
残念ながら、一年に数百万円もかけて遠い外国の大学に留学しても、効果が出ない可能性はつねにあるのです。逆に、日本にいても、智慧(ちえ)を働かせ、時間を活用して、一日数時間だけでも語学の学習に集中できれば、あなたの外国語が上達することは十分可能なのです。

pp68-69
費用対効果の面だけから言えば、異性の話し相手を持つことが最もインセンティブの高い方法でしょう。とくに、相手が若くて魅力的であれば申し分がありません。授業を離れても、その人のことだけを考え、その人と外国語を話し合うことを想像するだけで、あなたの外国語は飛躍的に上達するだろうと思います。

p75
西洋音楽の世界ではリズム、メロディー、ハーモニーが「音楽の三要素」です。[…]ところが、アラブ音楽には西洋音楽でいうハーモニーがそっくり抜け落ちている。

p78
人間は不思議なもので、自分が喋ることができる内容以上のことを聞くことはできません。

p82
基本的問題を徹底的に反復練習する。

p84
語学学習は孤独なものです。それは外国語の習得が他人ではなく、自分との戦いだからに他なりません。

p125
それではこの種の「発想術」はどうすれば得られるのでしょうか。私個人の経験では、「発想」といっても、すべては、人の話を聞いたり、本を読んだりして浮かんだ小さなヒントを丹念にメモすることから始まったと思っています。いくつかの小さな発想が集まったところで、初めて一つの仮説を作ることができ、その上で少しずつ人とは違う「大局観」のヒントが見えてくるのだと思うのです。

p186
私は外務省時代から、ノウハウ(手法)は同業者から、アイディア(発想)は異業種から盗む、と心に決めていました。

p227
日本語のニュースサイトには致命的な欠陥があるのです。まずは時間の遅れ。世界で起きていることの大半はその国の言語と英語で書かれます。日本語のニュースの大半はこれらの記事を翻訳したものか、もしくは、これらを読んだ後に日本人の記者が書いたものですから、どうしても時間差が生じるのです。

p227
内容を重視する人々にとっても、日本語の記事は不十分です。日本のマスコミは、事件事故などで日本人が関係でもしないかぎり、一般に海外報道に対する関心が低いからです。