[読書メモ][Kindle]『記憶する技術』

Loc 116
私の友人に、同じ映画を劇場で何度も見る者がいた。[…]映画館に行くたびに意識するポイントが変わるから、毎回新鮮な発見があっておもしろくてしかたがない、と言っていた。

Loc 301
仮に何らかのストレスを抱えていたとする。それが大変だとか、マイナスだとか、いつまでも毛嫌いしていると、記憶力が落ちるだけでなく、ストレスもいっこうになくならない。だが「もう自分はストレスに慣れたんだ」と意識して、そういう記憶を脳につくり出してしまえば、ストレスは克服できる。

Loc 301
ならば、これはもうストレスではない、と思い込んでしまうのだ。過去にこういう経験はあったかもしれないが、そこから自分はこんなことを学びとって、それは自分にとってプラスの出来事だった、というように記憶をよい意味に書き換えてしまう。

Loc 301
つまりストレスを力に変えることができるし、そのストレスを感じないように意識してコントロールすることが可能だということだ。

Loc 774
勉強してある程度の記憶が蓄えられていないと、ひらめきも生まれない。無からひらめきは生まれないのだ。[…]スカスカの頭をいくら振っても、何も出てこないが、みっちりつまった頭からはアイデアや創造性のかけらが次々と降ってくる気がする。

Loc 794
続ける意欲と動機さえあれば大丈夫です、と私は答えた。何年かかるかわからない。でも、やめないで続けることができれば夢はかなうと私は思っている。

Loc 1208
たとえば、あのときのあんなぶざまな自分があるから、いまの自分はこうしていられるんだとか、あのときのあの仕事の失敗があるから、いまはこんなことができるようになったのだとか。そんなふうに何らかの価値を転換したり、意味づけのロジックをつくり上げたりして、嫌な記憶をプラスに変える。意識してプラスの意味を与えていくことで、ネガティブな記憶ではなくなるのではないか。

Loc 1276
私がときどきやるのは、嫌なことを紙に書いて、くしゃくしゃに丸めてゴミ箱にほうり込む行為だ。この儀式をすることで「自分はこの件は忘れた!」と思い込むことにしている。

Loc 1322
私たちが生きている間に起きる出来事は、何が幸せで何が不幸かなど、その段階でわかるものではない。