[読書メモ]『クラウドソーシングでビジネスはこう変わる』

p4
これからの時代は、個人が企業に完全に帰属するのではなく、「いまはたまたまその企業で働いている」というスタイルが当たり前になっていく。

p22
「個」は行動や生き方において企業や国から自由になることができる。それがこれからの時代だ。

p32
起業において本当に必要だったのは、夢だった。人がついてきたくなるようなビジョンだったのだ。

p42
エンジニアやデザイナーといった職種には、時間や場所に縛られずに仕事をしたほうが効率が良いという人がいる。深夜に集中して仕事がしたいという人もいるし、使い慣れたソフトウエアやデイスプレイが揃っている自宅のほうが捗るという人も少なくない。

p49
二〇世紀の仕事は、企業の枠組みとして最適化されてきたスタイルである。まず、会社や組織という器があって、いかに効率良く仕事を回していくか、そしてそのために個人がどうあるべきか、ということが発想の基本だった。/それに対し、個人のライフスタイルやワークスタイルの側から最も効率的な形で仕事をするのが、二一世紀の新しいワークスタイル、クラウドソーシングであると僕は考える。

p62
「DATA.GOV」というサイトにアクセスすると、アメリカ政府が持つ情報やデータの開示がされていて誰でも自由にアクセスすることができる。

p63
また、よく知られているのが、カリフォルニア州の例だ。カリフオルニアの消防局では「Pulse Point(パルスポイント)」というアプリケーションがスマートフォン上で提供されていて、心臓発作を起こした人がいると四〇〇メートル以内にいる別の市民のスマートフォンに知らされ、救急車の到着までの間に個人が専用の機械などで対応する、という取り組みがなされている。

p144
「BYOD」という言葉がある。「Bring Your Own Device」の頭文字をとったもので、個人が所有する携帯電話やノートPCを会社に持ち込んで、それを業務に使うスタイルを意味する言葉だ。

p156
その価値観が自由な働き方の障害となっているのなら、価値観そのものを変えていけばいい。

pp183-184
ご存じのとおり、企業の正社員は、健康保険と厚生年金に加入することになるが、月々の保険料は会社と折半する仕組みになっている。しかし、正社員でない人たちは、国民健康保険と国民年金に自分で加入しなければならず、保険料も全額自己負担となる。/この二種類のシステムがあることによって、日本では正社員と非正社員の違いが明確に意識されてきたのではないかと僕は考えている。たとえばアメリカでは、社会保険制度を提供するのは国ではなく民間企業なので、正社員であっても、自己責任で社会保障を選ばなければならない。その点で、正社員と非正社員の区別はない。

p220
正社員だから優れているというわけではないし、フリーランスだから才能に満ち溢れているというわけでもない。収入が多いからといって能力があるわけではないし、収入が少ないからといって不幸ということはない。すべては、自分がどう働きたいか、どう生きたいかにかかっている。