[読書メモ]『依存症ビジネス』

p14
21 世紀初頭の社会に生じたもっとも影響力のあるトレンドとは、気分を向上させたいときはいつでも、自分に報酬、すなわち「ごほうび」を与えるという習慣がますます強まったことだ。

p15
私たちは「すぐに気分をよくしてくれるもの=フィックス」に手を出してしまうのだ。

p32
「レッドネック(アメリカの無学のな田舎者)」やイギリスの「チャヴ(低所得労働者階級を親に持つ不良少年少女)」

p97
依存的行動とは本質的に自発的な行為なのだ。

p101
私たちが「依存者」と呼ぶのは、自分に害を与えるような短期的報酬を一貫して追いもとめる人のことだ。

pp143-144
マクドナルドは低所得層の人々をジャンクフードに病みつきにさせることにより、事実上彼らに毒を盛っている

pp151-152
私の両親の世代のオフィスには、「ティー・レイディー」という、紅茶を給仕(きゅうじ)する女性がやってきたが、彼女たちがティー・トロリーに載せた紅茶とともに配って歩いたビスケット「カスタード・クリーム」は、マフィンやトリーツと同じだと言うことはできない__仕事の手を休められたのは、ありがたかっただろうけれども。

p154
「メニューに載っていない “オフメニュー” の料理を頼む客は 10 年前に比べてずっと増えた」

p161
ふつうの酒飲みとアルコール依存者を見分けるコツとは?/普通の酒飲みはこう言う。「今晩パブに行って、酔いつぶれてやる」/アルコール依存者はこう言う。「今晩パブに行くが、酔いつぶれないようにする」

p167
私たちが本当に好む食べ物は、それを食べはじめたあとのほうが、空腹感が強くなるということだ。

p187
私の経験から言うと、依存者はみな自分のことを特別のケースだと思っている。

p190
アルコールの製造企業は、女性の飲酒と公衆の場で大量飲酒をすることをそれぞれに対するタブー視が同時に弱まったことを組織的に利用した。

p235
グロウルをインストールする人は、そんな邪魔を歓迎している__自分が必要とされていると感じるからだ。

p256
2011 年末までにイギリスで起こされた離婚訴訟のうち、フェイスブックのデータが証拠として提出されたケースは3分の1におよんでいるのである。

p263
視聴年齢制限などの安全策がとられていますが、知恵が働く 13 歳なら、ほとんどの対策はすりぬけられます。

p286
インターネットを使えば、ユーザーは何千ものファイルをスムーズにダウンロードしてカタログ化することができる。そして、それらのファイルを整理するのが、パソコンを所有している楽しみの一部であることはよくあることだ。

p306
ドラッグの非犯罪化や合法化は、供給ラインを変えて闇市場を駆逐する。しかし、向精神薬が以前と同じくらい簡単に手に入るようになるなら、それに依存する人々の数が減るとはとても思えない。/近頃では、探す努力を少しでも惜しまなければ、たいていの麻薬は簡単に手に入る。

p332
食べ物も酒もドラッグもテレビもコンピューターも、みな以前よりずっと魅力的になった。その結果、私たちは物を過度に好きになるという癖に陥ってしまったと言うのだ。