[読書メモ]『私は女になりたい』
p6
本気とも冗談ともつかず語られていくところがなんとも言えぬ。
p15
この涙ぐましい「努力」を女たちも認めてほしい。
p42
「禁じられた恋」という甘い誘惑
p48
K氏のように素直で、人を信じやすい人間は、商売なんかしてもきっとうまくいかないだろうし、どうかすれば、詐欺師の餌食にだってなっていた可能性がずいぶんある。
p49
この泥棒猫っ!
pp63–64
男でも女でも、いわゆる婚外恋愛(私は敢えて「不倫」なんていやらしい言葉は使わない。ことは恋心の問題であって倫理道徳の問題ではないと思うからである)なて、いくらでもありうる。
p79
それは表面だけの「現象」に過ぎぬ。
p81
その後、だんだんと元気も衰微し、分別も付いてきた30代、40代になっても、このココロは、原則として変わるところがないということを、恥ずかしながら御報告しておかなくてはなるまい。
p88
私も、修道士のごとく清らかなる男に見えるかもしれないが(見えないか、ははは)
p90
人間の男と女がやることなんて、無限のヴァリエイションがあるわけでもないし、結局つきつめていけば、一つの運動しかないのだから、そのこと自体には、そう無限の興味など寄せようもない理屈である。
p96
ドラマツルギー
p100
そんなことは、どうしたってunlikelyだ。
p126
彼の耳元で、『どう、特別サービスをしようか』と囁いたそうである(どうしても、この手のことは耳元で囁く寸法らしい)。
p128
テレビというものは、もとより下らぬことばかり放送して、よくもまあ恥ずかしくもないものだと思ってはいたが
p132
ここまで書いて、私は、大きなため息を吐(つ)いた。
p138
はっきり言って、結婚式なんてものは、ほんとうに下らない。下らない上に、無意味である。
p137
テレビはしょせん軽薄な電気紙芝居だから
p139
私は、ともかく建前とか嘘とかきれいごととか、みな嫌いである。なんでも本音で真っ正直に生きたいと願っているのであるが、結婚式となると、もうそれは、嘘ばっかり、嘘の大盛り、嘘をつくねて拵(こしら)えた大饅頭みたいなものだ。
p148
私自身は、家族というものは、一人ひとり独立の人間だと思っているから、それが親元を離れて一人前になるのは、当然至極のコンコンチキで、悲しんだり泣いたりするようなこっちゃない。
p147
相手の親が、まあこの私の崇高なる意見をてんから理解しないであろうから、それを思うと、心がぐんと重くなる。さてさて。
p148
ラブアフェア
p156
彼女のほうにも、どこかアヴァンチュールを求める心の隙があったということである。
p160
この世に女がなかったら、人生は苦悩にばかり満ちてなにも甘なうべきことのない、無味乾燥な時間の流れに過ぎなかっただろう。
p174
男同士、頬を寄せ合ってプリクラってのも一興かもしれぬ
p177
念の為申し添えます
p183
世間四方山の話をしているうちに
p186
こういう話になれば、私とて興味津々たらざるを得ぬ。
p189
なにごとも、願えば叶う世の習いで、その夢の様な時はまもなくやって来た。
p193
といっても、べつに男色の気があったわけではない。
p214
多くの場合、ソプラノ歌手というものは、自己中心的である。いや、ソプラノに限るまい。謙遜して他人の後に隠れているようでは、この世界は置いてけ堀を食うのである。おれがおれが、と前へ出ていく根性がなくては、競争の厳しい芸術の世界では生き抜いていけない、それが掟なのだ。
p220
肉の快楽にうつつをぬかすようになった。
p223
人には瑕(きず)があったほうがよい。たとえば背が低い、たとえばスタイルが悪い、たとえば顔が地味だ、さまざまなコンプレックスが人を育てるのである。外見で勝負できないなら、その外見で負けているぶんを、ほかのことで追い越してやろう、そう考えるのが人情である。
p224
なにかの俗書で読みかじった役にも立たぬ雑学のたぐい
p228
せめて夢の中でもよろしいから、あの良い匂いのする、ふわふわと柔らかな皮膚を持ち、鈴を振るような優しい声を発する、「おんな」という肉体に宿ってみたい。
p231
みんながこういうふうに正直に物を言うときには、世の中はもう少し明るく住みやすくなるだろうなあと思いながら、わたくしは、いささかに赤面しつつ、さまざまの恥をお話したところである。
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