[読書メモ]『捨て本』

p3
大事なモノだと一度思いこむと、その感情は、強く固定化してしまう。

p8
いま僕には家がない。いわゆるノマドな生活をしている。

p8
この程度の持ち物で、大概の人よりも多くの仕事をこなし、楽しく、刺激いっぱいの人生を過ごせている。

p11
モノの量は、思考の密度を奪う。/「なくしたらどうしよう」「それを失うと自分が欠けてしまう」という、余計な不安が頭のなかに生じる。/安心するために必要だったモノは、逆に不安を増幅する装置となる。

p12
「常識や理屈に縛られ、思考停止した生き方をしている人が、どうすれば自由に生きられるのか?」

p29
でも所有欲が、人を幸せにすることはない。まず、ない。/あるとしたら一瞬だ。[…]それは「獲得」の喜びであって、「所有」とは違うものだ。/所有する喜びと、獲得する喜びを混同してはいけない。

p30
所有はリスクだ。/失うことへの不安、管理の手間、執着心と、いくつものネガティブ要素を運んでくる。

p31
いったん所有欲に縛られると、「あれが欲しい」「これを手に入れたい」と所有物のために働くようになり、本当に自分がやりたいことに、集中できなくなる。

p36
ガンダムプラモには少し興味があった。でも手先が不器用だから、組み立てとか色塗りが下手くそで結局、楽しめなかった。

p36
楽しんだ後に、所有という形で何も残らないのが、ゲームのいいところだった。

p40
自分からやろうとしていないものに、いくら時間を投じても、まったく気持ちは入らない。

p44
間違った知識を共有して、ぬるく笑い合っているような友だちなんて、いてもしょうがない。

p46
好きなことをやり続けていると、特につくろうと努力しなくても、勝手に友だちはできるのだ。

p48
友だちなんかいなくていいよ、というぐらい好きなものにハマれば、自然にいい友人はできるのだ。

p52
学校や社会からいじめをなくすのは、至難の業だ。

p53
周囲を笑わせて、「面白いやつ」という存在になった途端、いじめの対象からコミュニティの人気者に転身した例はいくつか見てきた。

p53
苦しいときというのは、往々にして「プライドを捨てない」状態を、自ら選んでしまっている場合が多いのだ。

p60
言いたいことを言ったからという理由で解雇など、コンプライアンスの整ったいまの日本の会社では、まず無理だ。

p65
人間関係において、「お互いの価値観が異なっていることがわかる」のは、思考の質を高めるうえで、非常に大事なのだ。

p66
閉鎖された環境で仕事していると、勘違いしやすくなってしまうが、「価値観や意見が同じである」ことは、実は異常なのだ。/「価値観や意見がバラバラである」ことが普通。それは社会全体の正しい姿でもある。

p68
一緒にいて楽しくない人たちに好かれようと努力すると、自分を見失ってしまう。/人生において、自分を捨ててはいけない。絶対に、いけない。

p68
誰かがあなたについてどう思おうが、それは何も問題ではない。相手の側の問題だ。

p77
やりたいことを先延ばしにする時間の浪費の方が、もったいない。

p86
寂しさを避けるために、捨てる決断をやめて、現状維持を選ぶ人もいるだろう。/それは絶対に、間違っている。

p90
借金は、金利を払っても充分に元が取れるような場合にのみ活用すべきだ。

p103
頑張って日本で一番レベルの高い大学に入学したのに、就職で他の大学を出た学生と一緒のスタートラインに並ぼうなんて……バカでしかないでしょ?

p110
「自分の中の流れ」には逆らわない。流れに身を委ねて、ただ、目の前のことに集中する。

p119
日本社会において東大は卒業してもしなくて特に差はない。東大に入ったことが、大きな信用とブランドになる。

p132
長い付き合いの友だちが何十人もいる、と自慢げに言う人がいたら、僕は要注意だなと思う。同じ価値観に固まって生きていて、思考も知識もバージョンアップしていない可能性が高いからだ。

p175
いまのように変化の激しい時代においては、住まいを自分の意志で変えられない人生は、少々のリスクとは言えない。

p181
愛を注いでいることに酔って、子どもに何らかの気持ちの負荷をかけさせるのは、してはならないことだと思う。

p183
「拠点の固定化」により、移動や行動、つまり人生における「選択の自由」にリミッターがかかってしまうという点が痛い。持ち家信仰は、いまのように変化の激しい時代には真っ先に捨てるべきだ。

p185
向き不向きがあるのは仕方ないこと

p210
もうおしまいだ……なんていう状況は、存在しない。/あるのは、もうおしまいと決めつける、自分の諦めだ。/どんな場面だろうと、対処する方法は残っている。

p213
大事なのは「はい次!」の精神だ。/過ぎる時間は、待ってくれない。怒るエネルギーを浪費する時間より、次の対処策の実行に時間を使ってほしい。

p218
100 %の信用が保証された人なんて、肉親でも存在するわけがないのだ。/いると信じているとしたら、人間観がおこがましいと言わざるを得ない。/人とは、どれほど複雑で多面的か、という想像力が欠けている。

p258
思い出の品を捨てられないという人は結局、ヒマなのだ。/いまという時間に集中して、熱中できるものに取り組んでいたら、過去を思い出すことなんか、ないはずだ。

p262
無為に時間を過ごすことは、最も愚かしい「ポイ捨て」作業だ。

p267
何年も時間をかけないと得られないスキルなんて、世の中にほとんど存在しない。要は、苦労した上の世代が、「時間をかけないと上達しない」というポジショントークで、既得権を守るための勝手な “修業” なのだ。

p270
寿司アカデミーに行くという選択もあったのだが、「そこに通って寿司職人の腕を磨いたら、アカデミーの手柄になるから嫌だ」と、断念。

p283
好奇心を失う、それは人としての進化を止めたときだ。/養うものでも、お金で増えるものでもない。/少しでも前に進みたい、現状を変えたい、やりたいことを始めたい、と本気で思うこと。そうすれば必ず好奇心は立ち上がり、大胆な行動力へつながっていくはずだ。

p294
会社に所属している最大の利点は、巨額の資金と人員が必要なビッグプロジェクトなどに取り組める点だったが、ツールの進化により、個人の副業レベルでも、スケール感のあるプロジェクトを展開できるようになっている。

p296
継続させるコツは「それを習慣化させ、いちいち考えない」こと。