[読書メモ][Kindle]『就活格差』

▼ 就活はネットでするのが当たり前
学生には毎日のようにさまざまなメールが届くようになり、メールの受信トレイが爆発する事態が頻発する。

▼ 誰も嬉しくないインターンシップ
説明会に参加する学生も、見るからに熱心で意欲的な層が2割くらいいるのだが、8割の層はいかにも周りの人に流されてやってきた層で、質問などの焦点も定まっていないことが多い。彼らによくよく質問すると、インターンシップに参加する意味が自分の中で消化できていないようであった。

▼ 学生間で広がる格差
『ウェブはバカと暇人のもの』(中川淳一郎:光文社新書)という本があるが、まさにそのとおりで、ウェブなどの無料情報のみに触れる学生と、ビジネス誌などの有料情報を購入する学生との間には、情報について大きな差があるといえる。

▼ 学生間で広がる格差
ある大学のキャリアセンター職員は、「東大生の親の平均年収は年にもよるが、だいたい 900 万円を超え、中流~上流の家庭が再生産されているといえる。しかも、このことが結果として、海外旅行などの人生体験や、習い事などの趣味の多様性など、体験格差・行動格差にも関わってくる」と語っており、根が深い問題であることがわかる。

▼ 読めない、書けない、話せない、聞けない
それぞれの文章や、口頭での質問の「意図」が読めない学生が増えている。

▼ 就活マニュアル本に流される学生たち
マニュアル本に載っていることはあくまで誰もが真似することであって、プラスアルファの自分ならではのものがあってこそ、内定に近づくのだと考えたいところである。ある意味、合格ラインはどの程度かを確かめるツールだといってもよいだろう。

▼ 就活マニュアル本に流される学生たち
「すべてを就活マニュアル本どおりにするというのは、一つの才能。あれを完全にマスターできるのなら、うまくいくだろう」

▼ 就活マニュアル本に流される学生たち
企業の面接官は、必ずしも人事担当者が行なうわけではなく、現場の管理職クラスなどもよく行なっている。

▼ 変貌する就活生という存在
文部科学省の教育指標の国際比較(平成20年版)によると、大学・短大等進学者は 2007 年で 54.6% に達しており、実に 18 歳人口の半数以上の人が大学に進学するようになっている。

▼ 変貌する就活生という存在
以前は、熱心に苦労して勉強し、大学入試を受けなければ入れなかった大学も、いまや推薦入試や AO 入試などで、楽に入れるようになっている。有名大学だから、受験勉強の苦労を経験しているとは限らないということである。

▼ 変貌する就活生という存在
以前、日本の大学は入るのが大変で、出るのがやさしいといわれていた。現在では、入ることも出ることも簡単になってしまった。

▼ エントリーシートの謎
一般的に、履歴書はプロフィール情報中心に構成されているのに対し、エントリーシートは記入スペースも多く、志望動機、成功体験(挫折体験)、これからチャレンジしたいことなどをスペースの許す限り書くことができるなど、各企業独自の設問が設定されている。

▼ エントリーシートの謎
よく、学生からは「エントリーシート通過の決め手は何なのか?」という質問をいただくが、個人的な意見だが、最も大切なポイントは「会いたいと思うかどうか」ではないかと考えている。

▼ エントリーシートの謎
エントリーシートは書類選考だけでなく、その後の面接や内定者のフォロー、研修や配属までずっと使われるものなので、しっかりと「分身」になったものを作成しておくのにこしたことはない。

▼ エントリーシートの謎
小中学校時代の体験は自ら取り組んだことではなく、親にやらされた経験、本人の関与度合いがわからない経験などが多く、本人のことがよくわからない答えになってしまうこともある。

▼ 就活に関する数々のうわさをどう見るか
いまや体育会の加入者は学生全体の 8% 程度だという。

▼ 就活に関する数々のうわさをどう見るか
しかし、体育会学生が強いといわれている「体力がある」「精神面でのタフさ」「厳しい上下関係など、組織向きの要素」「目標達成能力」「ストレスに強い」などがあるかどうかというと一概にはいえない。これは個々人による部分が大きく、好きなスポーツをやっているわけだし、上下関係がはっきりしているため、体育会は実は快適な集団となっており、人材として成長するかどうかは疑問だという指摘は以前からもある。

▼ 就活生はどうすべきか
企業・業界分析をする際には、比較の軸を作るために1社でもいいので「詳しい企業」を作るとよい。

▼ 就活生はどうすべきか
私は、よく学生には「自分探し」よりも「自分磨き」をするべきだという話をすることにしている。何かに熱中する、夢中になる過程で自分を磨くことにより、自分のことがより理解できるというわけである。

▼ 就活生はどうすべきか
自分自身とは何者かということに気づいたら、今度は自分の言葉で表現することにこだわろう。

▼ 就活生はどうすべきか
想像がつかない部分もあるかとは思うが、自分の未来に関する年表を書いてみるのもよいだろう。先輩の話なども参考にしつつ、また世の中に起こる変化も意識しつつ、何歳までにどんな自分になっていたいかを一度、年表に落としてみる。すると、もっと身につけなければならないことなども明らかになってくるだろう。

▼ 就活生はどうすべきか
就活を楽しく乗り切るためにオススメなのが、個人ではなく、団体で就活をすることである。数名の就活仲間を作り、チームで就活を乗り切ろうとするのである。これはジョブクラブと呼ばれる手法である。あまり大人数になると収拾がつかなくなるので、せいぜい5~6名がよいだろう。

▼ 企業はどうすべきか
競合他社がやっていることの真似をしても意味がないし、他社がやっていることはすでに古い取り組みなのである。

▼ 企業はどうすべきか
就職情報会社の言いなりになるな

▼ 企業はどうすべきか
仕事の実態とかけ離れ職場理解にもつながらないワンデーインターンシップ

▼ 企業はどうすべきか
自分の会社ゆあ [注:「や」の間違い] 部署に、新人が入ってくる幸せをぜひ社会人の皆さんには再認識して頂きたい。