[読書メモ][Kindle]『私とは何か 「個人」から「分人」へ』

Location 101-102
時々ふと、みんなが盛り上がっている話題に、さほど共感してない自分に気づくことがあった。面白くないというより、どこか、満たされない感じだろうか。

Location 138-139
「本当の自分」と「ウソの自分」とのあいだに、明確な序列があり、価値を持つのは「本当の自分」の方である。

Location 214-215
焦げかかっている肉の世話でもするフリをしながらごまかしていた。

Location 269-271
「ウソの自分」とは、他人に同調して、表面的に演じ分けている姿、というイメージだ。従って、誰もいない部屋の中で、一人孤独に書いているブログの文章こそが、彼の本音であり、本当の姿なのだろうというのが、この時の推察だった。

Location 313-314
私たちは、他人から本質を規定されて、自分を矮小化されることが不安なのである。

Location 595-596
どうやって生きていけばいいのか、わからなくなりました。

Location 710-711
地方出身者が多く集まっている東京では、特定の地域色に染まらない、より広く一般化された社会的な分人が求められるが、そのために、人間味を欠いた、冷たい印象になっているところもあるだろう。

Location 1133-1135
私たちは、日常生活の中で、複数の分人を生きているからこそ、精神のバランスを保っている。会社での分人が不調を来しても、家族との分人が快調であるなら、ストレスは軽減される。

Location 1224-1226
世の中のことが大嫌いで、社会に絶望していても、自分が好きであれば、生きていける。逆に、自分のことを好きになれなくても、世の中が楽しければ、生きていけるのかもしれない。問題は、そのどちらもが我慢ならなくなることだ。

Location 1238-1239
人生について、深く考えられたし、美しい言葉に導かれて、自分がより広い世界と繫がっているように感じられた。

Location 1279-1280
「恋愛」を「思想」にまで高めて

Location 1314-1317
fall in love は、「恋に落ちる」と訳されているが、「愛に落ちる」とは訳されなかった。恋は不可避的で、出会いさえあれば、決して難しくない。自分でもコントロールできず、勝手に芽生えてしまう感情で、たとえ相手が、好きになってはならない人でも、好きになってしまうのが恋だ。 しかし、そこから関係を持続させていく愛の段階に入ると、必ずしも簡単ではない。

Location 1341-1342
何より、相手の笑顔が自分に自信を与えてくれる。

Location 1454-1456
ストーカーのような、強引な分人化の強要は、された方も不快だが、している方も、恐らく自分に満たされてはいまい。まったくの逆効果である。