[読書メモ]『名門校とは何か?』
『名門校とは何か?』(おおたとしまさ、朝日新書、2015)
p266
ノブレス・オブリージュ。「恵まれた者はその恵まれた環境を最大限に活かし、自分の能力を最大限に開発する義務がある。そうして得た大きな力を社会に還元することが、恵まれた者の義務である」という意味。
p267
日本の平等至上主義的教育システムは、この「ずるい」という感覚をベースに成り立ってしまっている。ノブレス・オブリージュとは相容れない。
p268
「我が子の出来が多少悪くても、同世代の子供たちが優秀になって社会を豊かにしてくれれば、我が子が生き延び、幸せになる確率も上がる。だから我が子だけでなく、次世代を担う子供たちみんなにより良い教育環境を与えたい」。そう思えるかどうか。/つまり、教育の受容者は被教育者本人ではない。被教育者を含む共同体全体が、利益を受けるのである。
p269
[日本の平等至上主義的教育システムを批判して]もっと効率よく勝ち残りたいのなら極端な話、最も手っ取り早いのは、自分が努力するよりも他人の努力を邪魔することになる。