[読書メモ]『宅配便革命』

p30
ヤマト運輸は決算報告書で、宅急便取扱量のうち法人顧客が取扱量の約9割を占めているようになり、しかもその半分程度が大口顧客となっていることを明かしています。

p34
労働力不足は大きな制約要因となっていますが、それだけではなくハブアンドスポークシステムの処理能力が想定より早く限界に達してしまっているのです。

p38
配達の「ラストマイル」(ネットワークの最後となる各家庭への配達部分)

p40
国土交通省の調査によれば、配達時に2割程度が不在で荷物が再配達されており、その結果年間約9万人分の労働力が費やされ約 42 万トンの CO2 が排出されています。

p48
過労運転や過積載運転による重大事故の発生が相次ぎ、安全規制も強化されました。時速 90km 以上出せないようにスピードリミッターが取り付けられ、運行記録計によって厳しく運行が管理されるようなりました。最近では、GPS やデジタルタコメーターがトラックに装着され、どこにいても運行状況が事務所の運行管理者に分かります。

p69
幹線輸送では、大形トラックのコンボイ走行の実用化が期待されています。これは、高速道路で先頭を走行する有人トラックの後ろを無人トラック数台が追随して隊列走行(コンボイ走行)をする方式で、少ない労働力で大量輸送を実現しようという試みです。

p82
最近は戸建て住宅向けに宅配ロッカーが開発されるようになりました。

p109
送料無料とはいうものの、配送費用は必ず掛かるわけですから、実際には送料込み価格となります。つまり、消費者は商品価格と送料を合わせて払っていることになります。

p118
家電量販店やアパレル等では、店頭では商品を試したり見たりするだけで購入せず、ネット通販で安いサイトから購入するというショールーミングが問題となっています。

p118
ショールーミングが早くから問題となっていた欧米諸国では、実店舗を持つ強みを活かしたネット通販への取り組みが行われてきました。ブリック(レンガ)とモルタルで建てられている実店舗をブリック・アンド・モルタルと呼ぶため、実店舗とマウスクリックで商品を購入できるネット通販を融合した業務形態をブリック・アンド・クリック(クリック・アンド・モルタル)と呼んでいます。

p128
高度成長期に建築されたニュータウンの中にも、若い人が入らなくなって高齢者だけが残された結果、「オールドニュータウン」と呼ばれている場所もあります。

p132
ネット通販事業は、物流センターのことを「フルフィルメントセンター」と呼んでいます。

p143
アマゾンは、特定の地域に限定して、その地域に配送網を持っている地場業者に宅配の委託を行っています。アマゾンでは、これらの事業者を「デリバリープロバイダー」と呼んでいます。

p148
イギリスのテスコは、世界で初めてネットスーパーを成功させた事業者です。

p154
GINZA SIX の蔦屋(ちょうや)書店では、何十万円もする写真集や美術本が手袋をはめれば読めるようになっており、関連する T シャツやトートバッグ、ポスターなどの物販も行われています。

p195
従来の企業間(B to B)取引にとらわれず個人でも対等に取引できるネット通販は、だれでも商人やメーカーになれるチャンスをもたらすという点でも革命的です。