[読書メモ]『イギリスは不思議だ』

p35
ある程度の中古車くらいなら買えるほどの値段ではあったけれど、孫まで使えるならば高くはない(まして量産品のブランドものを、何十万というような値段で売っているのに比べれば非常に安いと思うのだ)。

p43
つまり、ナショナル・トラストは、その建物(ハードウエア)とその内部の「生活」(ソフトウエア)とを二つながら保存しているわけである。頗る見習うべきところがないか。/こういう風景を、寛永時代以来変りなく見ることができる、というのもイギリスらしいところで、私にとっては、観光会社の差配に従って詰まらない観光地を周遊したり、ロンドンの有名ブランド店でやくたいもない買物に狂奔するよりは、なんでもない田舎町をぶらーりと訪ねて、そこの市場で、特産の農作物や地元職人の手工品をあれこれと買い求めることのほうが百倍も千倍も面白い。

p97
「ロンドンに仕事を持ち、日舎で暮らすのが理想」といわれるように、イギリス人のカントリー志向は根強い。

p106
ジャンブルセール(またはカーブーツセール)といフ日本式に言えばフリーマーケット

p106
それらは、ただ飾っておくのではない。使うというのが前提である。ただし普段から使うと、粗忽なるわが妻がすぐに割ってしまうので、普段は使わない。なにか客などがあったときに、そっと使う。

p109
私の生活、私の趣味、私の歴史、私の交友、とどこまでいつても「私」ということを離れない。だから他の人には大して価値のないものに違いないのである(こういう価値を、英語では「センティメンタル・ヴァリュー」ということがある)。