[読書メモ]『「自分時代」の終わり』
p215
私が、オウムの連中にわずかながらシンパシーを感じるのは、極限的窮乏状態にあって、むしろ精神的には豊かな状態だと思い做(な)したところです。ゴキブリがウヨウヨしていても、着の身着のままであっても、工場みたいな無機的な施設で生活していても、根菜類ばっかり食っていても、過酷な修行や労働のノルマが課せられていても、栄華の巷で根なしのように生きるよりはよほど充実しているように彼らには思えた。客観的には錯誤なのですが、心情的にはわかるような気がしましたね。