Hackintosh に挑戦する 2019(2)
前回のエントリーは以下。
Hackintosh に挑戦する 2019(1) – with a Christian Wife
https://wacw.cf/2019/08/20/hackintosh-2019-1/
では、今回私がやった手順をまとめてみる。
(1)実機の Mac で、AppStore から Mojave をダウンロードする(Applications フォルダに Install macOS Mojave.app というインストーラーができる)(最新版なので macOS Mojave Version 10.14.6 だ)。ダウンロードが終わるとインストール画面になるのでそれは終了する。
なお、この Applications フォルダにできるインストーラーは名前を変更してはいけない。名前を変更した状態だと、インストールの際にエラー(The copy of the [変更したファイル名] application is damaged, and can't be used to install macOS.)が出る。インストーラーはバージョン番号なんかを付けた名前に変更したくなるけどやめておこう。
(2)16GB 以上の USB メモリーを Mac OS Extended (Journaled)、GUID Partition Map でフォーマットする。
過去に Hackintosh 作成に使った USB メモリーはフォーマットに失敗することがある。そういう時は以下の方法で完全にフォーマットする。
The Strange Storage: macOSでEFIパーティションを消去する
https://www.storange.jp/2017/09/macosefi.html
(3)USB メモリーのマウント名を確認し(ここでは「USB」だとする)、ターミナルで以下を実行。
$ sudo /Applications/Install\ macOS\ Mojave.app/Contents/Resources/createinstallmedia --volume /Volumes/USB
USB メモリーへ書き込みが完了すると、Install media now available at "/Volumes/Install macOS Mojave" と表示される。
(4)Clover を入手する。今回は最新版の v2.5k_r5045 を使う。
Clover EFI bootloader – Browse /Installer at SourceForge net
https://sourceforge.net/projects/cloverefiboot/files/Installer/
(5)Clover を実行する。その途中で、Change Install Location で Install macOS Mojave を選択し、Customize をクリック。
・Clover for UEFI booting only にチェック。
・Install Clover in the ESP にチェック。
・Drivers off にチェックを入れておくと、とりあえず全部の EFI ドライバーをダウンロードできる(EFI/CLOVER/drivers/off/ に格納される)。気軽にドライバーを差し替えできるのでチェックしておくとよい。
UEFI Drivers は以下にチェックを入れる。
・ApfsDriverLoader
・FSInject.efi
・VBoxHfs.efi
・Memory fix drivers は上から順番(OsxAptioFix3Drv、OsxAptioFixDrv、OsxLowMemFixDrv)に一つずつ試していく(後述)。
・その他は非選択。
Clover のインストールを実行。
参考:
CLOVER 4988 でEFIドライバ関連が変更されました – Boot macOS
https://bootmacos.com/entry/2019/07/13/221447
(6)必要な kext を入手し、/EFI/CLOVER/kexts/Other へ入れる。
・Lilu.kext
https://github.com/acidanthera/Lilu/releases
・WhateverGreen.kext(Lilu.kext と一緒に使う)
https://github.com/acidanthera/WhateverGreen/releases
(7)VirtualSmc.efi を EFI>CLOVER>drivers>UEFI へ、VirtualSmc.kext を EFI>CLOVER>kexts>Other へ入れる。
[1] SMCHelper.efi と FakeSMC.kext、[2] VirtualSmc.efi とVirtualSmc.kext、のいずれかの組み合わせで使う。今回は後者とした。ドライバーと kext は以下で入手する。
Releases · acidanthera/VirtualSMC
https://github.com/acidanthera/VirtualSMC/releases
参考:
CLOVER 4988 でEFIドライバ関連が変更されました – Boot macOS
https://bootmacos.com/entry/2019/07/13/221447
(8)Clover がデフォルトで設定した config.plist を自分の環境に合わせて編集する。
それには Clover Configurator を用いる。
Download Clover Configurator | mackie100 projects
https://mackie100projects.altervista.org/download-clover-configurator/
CPU が Intel Core i3-8100 なので開発コードが Coffee Lake。よって Coffee Lake 用の config.plist 設定ガイドに従った。
corpnewtさんのバニラガイド~Coffee Lake用config.plist – Boot macOS
https://bootmacos.com/entry/2019/01/13/005222
Coffee Lake – /r/Hackintosh Vanilla Desktop Guide
https://hackintosh.gitbook.io/-r-hackintosh-vanilla-desktop-guide/config.plist-per-hardware/coffee-lake
参考:
正しく機種設定する (SMBIOSの設定) – Boot macOS
https://bootmacos.com/entry/2017/09/18/195205
基本的にガイド通りにした。特記すべき点は以下。
・Product Name は Coffee Lake で安定するという iMac18,3 とした。
参考:
iMac のモデルを識別する – Apple サポート
https://support.apple.com/ja-jp/HT201634
・Board Serial Number の生成方法は先日のエントリーで書いた。
[Hackintosh] MacInfoPkg で Board Serial Number 生成 – with a Christian Wife
https://wacw.cf/2019/08/17/generate-board-serial-number-with-macinfopkg/
・ガイドには RtVariables > CsrActiveConfig は 0x3e7 にせよと書いてあるけど、0x3E7 と大文字の E にしないとインストールに行く前にエラーとなる。
(9)今回は再インストールなので、USB の使用ポートはすでに特定済み。ということで、USB ポート制限問題を先に解決しておく。config.plist の Boot > Arguments に追記。
Mojave 10.14.3 での USB ポート制限問題 – with a Christian Wife
https://wacw.cf/2019/02/09/unlock-usb-port-limite-on-hackintosh/
またこれに伴い、USBInjectAll.kext を EFI>CLOVER>kexts>Other へ入れる。
USBInjectAll
https://bitbucket.org/RehabMan/os-x-usb-inject-all/downloads/
config.plist を保存。
(10)【以降インストール先マシンで作業】BIOS を設定する(括弧内は BIOS のメニュー名)。電源投下後 Del ボタンで BIOS に入れる。
・Optimized Defaults をロードする。(Save & Exit > Load Optimized Defaults)
・VT-d を無効化。(Chipset > VT-d)
・シリアルポートとパラレルポートを無効化。(Peripherals > Super IO Configuration)
・XHCI Handoff を有効化。(Peripherals > USB Configuration)
・OS Type を Other OS に。(BIOS > Windows 8/10 Features)
・CMS を無効化。これを無効化すると Secure Boot Mode の設定が出てくる。(BIOS > CMS Support)
・Secure Boot Mode を無効化。(BIOS > Secure Boot)
・Fast Boot を無効化。(BIOS > Fast Boot)
・Legacy USB Support を有効化あるいは自動に。(Peripherals > USB Configuration)
・Network Stack を無効化。(Peripherals > Network Stack Configuration)
・Wake on LAN を無効化。(Chipset > Wake on Lan Enable、Peripherals > Interl(R) Ethernet Connection… > NIC Configuration > Wake on LAN)
・iGPU を無効化。(Chipset > Internal Graphics)
・SATA を AHCI モードに。(Peripherals > SATA And RST Configuration > SATA Mode Selection)
(11)USB メモリーを挿して macOS のインストールをする。
config.plist の Boot > Arguments に -v を追加することで、インストール時のエラーを特定しやすくなる。インストール時に Couldn't allocate runtime area と表示されて止まると、5の手順に書いた Memory fix drivers の問題だと分かる。別の Memory fix drivers を入れ替えて試してみる。今回は OsxAptioFixDrv でインストールができた。
自動的に再起動するが、Clover 画面では Boot macOS from [ドライブ名] を選ぶ。Boot macOS from Install macOS Mojave を選ぶと、インストールがやり直しになってしまう。一度 Boot macOS from [ドライブ名] を選べば、次の再起動からは Boot macOS from [ドライブ名] が選ばれる。
PCI-Express の無線 LAN アダプターを最初から挿していたが、インストールに従い Wi-Fi に接続しようとするとマウスカーソルがグルグル回って止まってしまった。とりあえず Wi-Fi に接続しない状態でインストールを完了させよう。
(3へ続く。)
参考:
High Sierra導入用USBメモリ作成方法 – Boot macOS
https://bootmacos.com/entry/2017/11/24/141036
Cloverインストーラの設定 – Boot macOS
https://bootmacos.com/entry/2017/09/13/170834