[Mac] InDesign に ePub ファイルを取り込む
InDesign の機能として、ドキュメントを ePub ファイルとして書き出すことができる。しかし、逆に ePub を InDesign に取り込むことに関してはレアケースすぎてネットでも情報がほとんどない。
そんな中、海外のページとして以下を見つけたので、これを参考に ePub を InDesign に取り込んでみた。
eBook Production Backwards: From EPUB to InDesign – InDesignSecrets.com : InDesignSecrets
https://indesignsecrets.com/ebook-production-backwards-from-epub-to-indesign.php
素材としたのは縦書きの ePub ファイルだ。
(1)対象の ePub ファイルの拡張子を zip に変更する。
(2)1を解凍する。
Mac のデフォルトの Archive Utility.app だとうまく解凍できなかったので、Keka というアプリを使った。
Keka – the macOS file archiver
https://www.keka.io/en/
(3)ickmull を以下のページからダウンロードする。今回は tkbr2icml-v044.xsl をダウンロードした。
(4)3を2の html ファイルがたくさん入っているフォルダに入れる。
(5)Terminal で cd と入力したあと、Terminal のウィンドウに2の html ファイルがたくさん入っているフォルダをドラッグ・アンド・ドロップする。そして、リターンキーを押す。
(6)個々の html ファイルに対して以下のコマンドを実行する。
xsltproc –output NEWFILENAME.icml –novalid tkbr2icml-v044.xsl FILENAME.html
私が扱う ePub の html ファイルは以下のようになっている。
part0000_split_000.html
part0000_split_001.html
part0000_split_002.html
…
この場合コマンドは以下のようになる。
1$ xsltproc --output part0000_split_000.icml --novalid tkbr2icml-v044.xsl part0000_split_000.html
2$ xsltproc --output part0000_split_001.icml --novalid tkbr2icml-v044.xsl part0000_split_001.html
3$ xsltproc --output part0000_split_002.icml --novalid tkbr2icml-v044.xsl part0000_split_002.html
4...
(7)InDesign で適当なドキュメントを作成し、「ファイル>配置」で6で生成された拡張子が icml のファイルを読み込むことができるようになる。
ただし、複数の icml ファイルを一括で配置できないのが不便だったりする。連続で一気に配置できたらいいのにとおもう。
それと、行頭の字下げがタブで行われている場合、icml で配置すると字下げが消えてしまう・・・。
配置されたファイルはリンクなので、リンクを切りたければ「リンク」パネルでリンク解除すればいい。
配置の際は「グリッドフォーマットを適用する」のチェックを外しておくと、段落スタイルが適用される(チェックを入れた状態だと文字スタイルのみしか適用されない)。太字などもちゃんと文字スタイルが適用されている。スタイルが適用されている状態なので、スタイルの変更が簡単にできる。
* * *
6で html ファイルを icml ファイルに変換したのは Pandoc を使ってもできそう。それと、今回は一つ一つコマンドを打って変換したが、スクリプト等を利用すれば例えばフォルダ以下の html ファイルを一括変換できそうだ。
参考:
Pandoc – Pandoc User’s Guide
https://pandoc.org/MANUAL.html
Markdownを起点とするワークフロー – DTP Transit
https://www.dtp-transit.jp/adobe/indesign/post_2157.html