[読書メモ]『富裕層のバレない脱税』
p15
日本の会社の7割近くは赤字である
p21
私からすれば、タックスヘイブンはたくさんある租税回避術の一つにすぎない。つまり「ワンオブゼム (one of them)」である。
p26
本書の内容はみなさんが「これならバレない」と思っているような最新の脱税手法であっても、実は「国税当局はすでに把握している」という警鐘でもある。
p97
中小企業はオーナー企業などと呼ばれるとおり、オーナー社長の意見がすべてを決める。周辺にはイエスマンしかいないし、仮にオーナー社長の行動に意見しようものなら、役員であれ部長であれ即クビになろう。そんな状況下でお互いに目を光らせるなど、とうてい無理な注文だ。
p103
ちょうど同じ時期に、国に頼らずに自分の財産は自分で守る「自己資産防衛」という考え方が注目されるようになっていた。
p107
送金またはハンドキャリー(手で現金を持っていく)による口座入金
p111
みなさんは外国金融機関におカネが貯まっても、結局日本の金融機関に資金を移さなければ使いようがないじゃないか、と思われるかもしれない。でも外国金融機関に資金をプールしたまま使う方法がある。例えば、現地に旅行した際に費消する、外国発行クレジットカードで買い物をする(クレジットでなくてもデビットカード機能でもいいだろう)、引き出し金額の制限はあるが日本の ATM で出金するなどだ。投資家やアドバイスするプロモーターがスキームを組むときに重要視するのは、こうした出口戦略である。
p139
「金持ち」はフロー(所得)が高い人、ストック(保有財産)が多い人、両方に該当する人の3つに区分できる。
p164
当局の隠語で「愛人」のことを「特殊関係人」と呼ぶ[…]特殊関係人(その子供を含む)
p221
人が脱税の誘惑にかられるのは、突発的な利益が出てしまったときだ。その多くが不動産譲渡によるものである。節税の対策を立てる時間的な余裕もなく、つい脱税に手を染めてしまう。
p230
飲み会がやたらと多いのも国税の伝統である。1年の節目、事案の節目、同じ職場の飲み会、出身地別の飲み会、税務大学校の同期会など、本当に飲み会が多い。そもそも距離が近く、癒着が起きやすい体質なのかもしれない。
p246
あくまで経験値だということも問題を引き起こすことが多い。本人が経験してきた「小さな成功体験」が汎用性を持った成功事例になるとは限らないからだ。既存の脱税手法を知っているだけで、新しい手口を企画できるかは未知である。