[読書メモ]「TAMAFLE BOOK 『ザ・シネマハスラー』」
p20
青春映画なんだから、「この夏はいつか終わる」ってことが一番大事なわけじゃないですか。
p50
伏線をきちんと回収するなんて古臭いことはしないんですよこの映画は。言いっ放しなんです。
p55
ネタバレしたら電流が流れるとかそういうシステムにしてくれないかな?
p60
観終わったあとにキャッキャし合うための映画
p65
いろいろなものからのパクリの集積で新しいものになってる
p68
一般論として、「手品と映画」って、食い合わせは決してよくない。だってどっちも幻影、存在しない現象を存在するかのように見せるエンターテイメントなわけじゃないですか。
p74
ここまで説明過多なものをよしとする観客が増えているってことに、絶望を感じたりもしました。
p77
死は怖いし暴力は怖いし、そして残念ながら世界はそういうものに満ちているんだ、という、むしろモラリスティックな理念に基づいて、残酷描写が扱われている。つまり、暴力とか死を正面から描くことに対するモラルが、はっきりとあるわけです。
p80
なりすましコメディ
p117
変な理想的な民主主義的な家庭として、友達親子みたいなことを押しつけて。だから非常に教育上よくないですね。まず親は親、子供は子供ってことをきちっとやらなきゃさ、親も甘えちゃうよ。
p130
存在しない問題をつくり上げて「問題だ!」って言いたてるように見えるところなんですよ。
p165
その人の内面こそがその人の現実である
pp167-168
普通の「うまい」マンガ家のスムースなコマ運びとは違う、どこかギクシャクした味わいがある楳図マンガ独特のコマとコマの間の時間感とか、登場人物の動き感とか
p184
観たくない映画でも観なきゃならない仕組み
p278
なにか重要なことを言い出すたびに、いちいちすべての動きが止まってしまう
p339
生まれ育った環境になんの疑問もなく安住しているより、<外>の世界にどうしようもなく惹かれてしまう好奇心と情熱を持っていること、「かぶれてしまう」ことのほうが、それ自体はよっぽど尊いことなんじゃないのか?
p354
「好きな映画だけ観に行っていいですよ」って言われたら、こんな味気ないことないと思いますよ。みんな、人がいいって言ってた映画だけを観に行ってるわけでしょ? そんなつまらない話はないよ! そんなのはもう死んでますよ。人の死んだ評論を鵜呑みにしてるのも同然。「オレはそうじゃない」って言うひとだって、観る映画を選んでる時点でそうなんだよ。なんで観る前からこっちの映画よりこっちの映画がいいって決めつけられるんだ、ってことですよ。