[読書メモ]『リクルートという幻想』

p33
空虚そうな企業戦士たち(社畜とも言う)

p50
手のひらで踊るのも時には気持ちいい。しかし、それは手のひらが見えなければこそだ。

p115
「リクルートの○○さん(役員の名前)にも、いい商売だと言われたんだよ」/というように、実態が伴うか、伴わないかわからないような、煽るような、論拠が身内の評判しかないような、そんな話法が展開されていく。

p131
余談だが、私は内定式を欠席した。大学の指導教官・竹内弘高先生に「内定式には出るな。大学があるんだぞ。企業とは対等の関係であれ」と言われたからだ。[…]内定式を休んでこそロックだとも思っていた。

p134
朝会は、営業部長クラスからのスピーチ、営業の代表者による掛け声で終わる。前週に好成績だった者などが、何かを叫び、それに対してみんなが「オー」と雄叫びをあげる。「売って、売って、売りまくるぞ」「オーー」という具合である。文化系の私にとっては、当初は「なんて粗暴なのだろう」と感じられたものだ。

p156
これは所詮、「従業員に一生懸命、会社のために働いてもらうため」のものであることを忘れてはならない。[…]リクルートには、名言、善意を装った、従業員を踊らせる言葉が存在し続けており、語り継がれている。「美しい言葉」「熱い言葉」というものは、時に危険なのである。これらの言葉は、普遍性の装いをもって、私たちの前に現れる。それを押し付ける者の利害を反映しており、支配者のイデオロギーなのである。

p184
宗教的と揶揄されるほどのモチベーションの高さで強引に迫る営業、一見、生活者や顧客のためになっているようでいて実は自分たちが得をする世界観をつくっているように見えること、金銭に対する嗅覚が鋭すぎること、既得権をつくろうとすること、高い利益率を誇っているなど、同社が批判を受けそうなポイントは多数ある。