[読書メモ]『東京どこに住む?』

pp127-128
1人の人が人生の間で引っ越しする回数のことを「生涯移動回数」と呼ぶ。[…]日本人の生涯移動回数は、平均で4回から5回の間ということになる。都市化が進んだ他の先進国の移動事情に比べると、驚くほど少ない数字である。アメリカ人であれば、この4倍くらいの筋になる。

p129
移住派か都心派かという2択は、「分散」と「集中」という国土政策の問題となり、日本人を二分するイデオロギーとして見ることもできるのだ。

p146
ここでは「東京は人口のブラックホール」であるという指摘が行われる。東京は、地方からの人口を吸い上げながら、次世代の再生産が行われない。つまり合計特殊出生率の低い東京への集中が「人口減少」の原因であるという議論である。

p152
国連統計局のレポートによると、1950 年には、都市部人口が全体に占める割合は、30 パーセントだった。それが、現在では、世界の人口の半分は、都市で暮らすようになった。さらに、2050 年には、この数字は 66 パーセントに増える計算だ。世界的に見ても、人類は都市で暮らすことを選択しようとしていることがわかる。

p167
組織としての一体感や、仲間意識。そういったものが大事であるというと身も蓋もない話に聞こえるが、彼らが大切にしているのは、フェイス・トゥ・フェイスのコミュニケーションである。電子会議では伝わらないプロジェクトメンバーとのちょっとしたコミュニケーションの機微、休憩時間やランチタイムなどで発生するちょっとした普段の会話。そうした中からも、プロジェクトの進行を左右するようなことな起こりえるのだ。

pp178-179
投資とは、将来的に自らの生産能力(資本)を高めるために、現在の資本の一部を投下する行為のことだ。

p182
現代では教育が、富裕階層がその優位性を維持するためにもっとも有効な「資本」になっているのだ。