高い抽象度に立ったデザインをする

最近は若い人を中心に自宅には電話番号がなく、携帯電話しかないという人も多いだろう。

お店や役所、病院に行ったときなど、何かの申請書や申込用紙を記入することがある。記入用紙で自宅の電話番号と携帯電話の番号の記入欄が分かれていることが多い。

しかし、自宅の電話番号の欄には「電話番号」としか書かれていないのだ。たいてい自宅電話番号の欄が、携帯電話番号の欄より先にあるので、自宅電話番号の欄に携帯電話の番号を書いたあと、「こっちに携帯電話番号を記入する欄がある!」と気付くことになる。

もちろんこの程度の記入場所の間違いはたいして問題にならないだろう。でも、あらかじめ記入者が間違わないように工夫するべきだと思うのだ。たとえば、自宅電話番号の欄は「電話番号」とだけ書くのではなく「自宅電話番号」と書くとか、あるいは自宅電話番号の欄と携帯電話の番号の欄を上下に並べて配置しておくといったことで、間違いはだいぶ防げるはずだ。

ファーストフード店のメニュー表についても分かりにくいお店がほとんどだ。ごちゃごちゃ書きすぎで、どこを見ればいいのか分からない。読み解くのに時間が掛かると客の回転が遅くなり、経営上マイナスになると思う。

その点、サブウェイは分かりやすいほうだと思う。あそこは注文が「リニア」だから、パンはどれ、具はどれ、ソースはどれ、サイドメニューはどれ、と一つ一つ聞かれるため、どこを見ればいいか迷いにくい(ただ、初めて行ったら逆に分かりにくいかもね)。一方でサブウェイは全体像がどうなっているのかは分かりづらいとも言える。

結局シンプルかつ機能的なデザインを考えるべきだと思うんだ。それは記入者の立場を考えたデザインをすることでもある。抽象度の高い視点を持てば、独りよがりのデザインはしないはずだ。