[読書メモ]『イギリスはおいしい2』

p5
イギリス人は産業革命を成し遂げて、十九世紀にはいると、急に過ぎたる昔が懐かしくなったとみえる。それで、十九世紀という時代は、一種の擬古的装飾が建築を飾った時代であった。

p24
概してイギリスには、日本のディズニーランドや富士急ハイランドみたいな常設の遊園地というのは極く少ない。そのかわり、この移動遊園地が、各地を巡回して子供を喜ばせるのである。

p33
もう一つの夏の風物詩は、PYO「Pick Your Own」の略で、要するに畑で実っている果実や野菜を、自分で行って摘み取るという仕組みのことだが、その代表格が苺のPYOである。

p58
私は、ガーデニングということには、ほとんど興味がない。そしてひたすらに「野の花」を愛する。

p80
願わくば、だれからも忘れられ、死んだような静寂のなかに、孤独に崩れゆく城、そういうのがいちばん望ましい。

p94
プラック・プディング(豚の血と背脂のソーセージ)

p106
ナニ、昼にもっとも重く食べて夕食は軽いというのが、イギリス流である。

p108
私は何を隠そう便所の研究家であるので、行った先々でこうしたトイレ写真を撮ってあるのだが、今回は、この一例を御技露する。

p152
大切なことは、一定のスピードで走るということである。微妙なアップダウンの負荷をギアやハンドルやエンジン音で聞き取って、下り坂だったら軽くアクセルを戻し、上りだったらちょっと踏みこむ。それでスピードはいつも一定に保つのである。こうした技術をハーフ・スロットルといって、上手な運転の必須条件であるから、せいぜいこういうイギリスの田舎道で練習を積むとよろしい。

p188
イギリスに何度か行き来するうちに、私はだんだんとロンドンが嫌いになり、今では、できたらロンドンには立ち寄らずに、すぐにも田園地方に落ち延びたいと思うようになった。