[読書メモ]『書藪巡歴』

p22
「そりゃぁエライ。慌てて職業になど就かんでじっくり無職で勉強するのがエライ」と変なことを褒めてくれた。私は、嬉しいような泣きたいような気がした。

p77
教師としての下調べ(これを教材研究という)

p140
先生はとても穏やかな性格の方ではあったけれど、その目は純真で、瞳の光にごまかしを憎まれる強さがあった。

p162
げに、「隠遁」こそは、江戸時代人にとっての永遠の憧れであった。

p174
先生はただ世界的言語学者という高邁(こうまい)なるイメージからはちょっと外れて、とかくこういう悪戯(いたずら)心、若(も)しくは「お茶目」な所のある都会人だった。

p178
自分はかねてから君の書く物に注目して皆読んでいると、励まして下さったのだった。いくら勉強しても誰も認めてくれないように思ってひたすら世を悲観していた私は、天にも昇る心地になった。

p300
本を集めるということの要諦は、「重複を恐れずに買う」ということである。