[読書メモ]『知の教科書 ライプニッツ』
p31
私は学生によく言うのだが、もし偉大な哲学者がときに愚かであったり、明らかな誤りを言っているとしたら、それはあなたがその哲学者の言葉を理解できていないということである。これは、哲学者を理解するにはその哲学者が正しいと決めてかかる必要があるという意味ではない。そうではなくて、その哲学者が語っていることを、彼の歴史的コンテクストと私たちの共有する人間的経験との出逢いのようなものとして理解する必要があるということである。/哲学者に対するこのような理解に到達するための最善の方法は、彼らが書いたものを読むことである。これが難しいと分かった場合(必ずやそうなるだろう)、それに対する最善の策は、彼らの著作をさらにたくさん読み、繰り返し繰り返し読むことである。原典とのこうした格闘があって初めて、それに関する他の哲学者の議論を読むことが有益になる。しかしまた同時に、コンテクストの知識や適切な案内なしに、一人の哲学者の読解に着手することは不可能である。これはライプニッツについては、とくに言えることだ。彼の主張はしばしばとても奇妙に見えるし、彼の膨大な量の著作を読みこなすのはとても難しいからである。
p280
ある意味で、ライプニッツの強みは彼の弱みでもある。
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