[読書メモ]『M2:思考のロバストネス』

p21
デプスは陰影や含蓄。セクシーさは華。

p21
家で奥さんを殴ってそうな顔してる

p22
W・ブッシュって「阿呆だけどいい奴」って思わせるところが「売り」なんだ。

p22
「ニューズウィーク」によれば、過去を振り返ると、見事な演説をする大統領ほど不人気なの。「デプスがある奴ほどセクシーじゃない」という負の相関関係があるみたい。

p38
「やっとソウルメイトに巡り合えた」と感嘆の声を発した

p41
よく読むと「そう私は信じる」という言葉が繰り返される。つまりは「祈り」だ。

p137
公共的な思考の肝は、ざっくり言えば、あらゆる問題を「自分自身の問題として」あえて考えない点にあります。

p139
個室化が進んだせいで、他人をノイズとして感じる連中が増えたんだな。

p143
必死に A ランクにぶら下がる浅ましさより、余裕で B ランクを生きるダンディズムが良しとされる。

p151
体験は訪れるだけで自己決定はあり得ない。

p153
徴兵制もいいことばかりじゃなくて、やたら権力志向的になるとか、暴力的になるとか、軍事文化が社会に悪影響を及ぼしている側面もあるみたいですよ。

p160
80 年代以降は、他者をノイズだと感じる連中が増えました。豊かな社会で個室化が進むと、ノイジーな他者への免疫が薄くなる。配偶者と同じ空間を共有できない若者も多くなった。

p161
人口が多いと馬鹿も多いので馬鹿相手の市場が生き残って賢人と馬鹿のディバイドが進む

p166
「家庭が大切」って言えば言うほど、家庭を閉域化し、少子化を促進し、児童虐待を増やすだけ。

p167
「こう振る舞え」という規範でなく、「そうしないと損」という長期継続するアーキテクチャーを設計する。その設計に携わる者をエリートと呼ぶわけ。流動化した社会では規範の共有が難しい。だから事実性を設計するしかない。

p168
「役割とマニュアル」が支配する「創意工夫のいらない仕事」が増える後期近代では、熟練が要求されなくなり、人間関係が流動化する

p188
第一に、僕は公式的にはホリエモン全面支持なの。ホリエモンが特攻役として過激に振る舞ってくれるほど、「ホリエモンより、俺のほうがまだマシだろ?」と出てくる「楽天」的二番手が、先の方までゲインできて、結果としてシステムが変わるからね。前にここでも喋ったけど、ブッシュが馬鹿であればあるほど、ケリーが馬鹿でも「まだマシ」だと受け入れられるのと、方向は逆だが同型のメカニズム(笑)。僕は「まだマシ効果」と呼んでるけど。

p189
つまり「欲望に応えること」が「公共的」じゃなくなる。多数決じゃあ「欲望に応えること」だけしか残らなくなるってこと。だからこそ、多数決に還元できない「公共性」がジャーナリズムに要求されてるわけ。

p200
投資家は常に時代を先取りし、「時差」から利益を獲得してゆくもの

p201
テレビって基本的にパッシヴなメディアだから

p208
男がドミナントな時代がとっくに終わったのに、いまだに一部の男がドミナントな立場を構築維持したがっているんだ。

p210
付き合ってる男に盗聴装置や盗撮カメラを仕掛けられたってい女の子は、結構多いよね。

p210
恋人や夫婦だって所詮「すべてをわかり合うことはない」他者、他我と見切ることはできんの?

p215
秘め事、隠し事はあった方が楽い。むしろ、なくなってしまえば、関係そのものの終わりだぞ、と。

p215
心が良心で溢れていることや隠し事がないことを、絶えず明らかにしなければいけないような関係は、疑心暗鬼と不安を生み出す。逆に信頼ベースで前に進むことで、不安ならざる内発性が実存の中心になる。そうなれば、コミュニケーションも自ずと信頼ベースになる。そうならなきゃ。

p216
私は精神分析なる疑似科学が撒き散らした幻想を打破しなければならないと思っているんです。なんの科学的根拠もなく、初期の幼児体験に極めて重い意味を与え、多様な関係性の中で生成変化していく「人格」という仮構を、実体的なものとして固化、閉封してしまう。

p217
斎藤環氏までが最後は「やっぱり家族のあり方が鍵」とか言っちゃうんだよねぇ。それは裏返しのファミリーロマンスに過ぎないんじゃないか!?

p217
スローライフ・スローフード的な方向に社会全体が動く必要がある。二者関係への閉じを解除する方向で多者関係を推奨するには、「感情的安全」が必要。それには、いろんな人に自分の顔や名前を覚えてもらえるくらいに人間関係の流動性が低くなきゃいけない。昔の日本みたく。

p218
宮崎駿はロリコンなの。宮崎映画に出てくるのは「そんなヤツはいねえよ」的な美少女ばかり。「清く正しく美しく」みたいなオタク的少女幻想に餌を与える。だから、女を都合よく支配したがる男が宮崎アニメにハマる。

p219
アラン・ブルームも、サブカルにおける性の表象の氾濫、セックスのカジュアル化が、恋愛から熱を奪ったとか言ってる。でも「熱は奪った」方がいいんだよ。所詮幻想であり、執着なんだから。

p221
ダイアディック
当事者だけに限定された二者関係のこと。ちなみに三者関係を示す場合は「トライアディック」という。

p223
「なじみの空間」には、「一見さん」にはわからない規範ある。その見えざる規範に精通しているか、こまやかな読解格子を持ているかによって、粋人か、田舎者かが峻別される。

p224
ドロップアウトのスノーボール現象

p230
イギリス全上に少なくとも 250 万台は設置されているであろう監視カメラ問題です。

p231
アポリア
「道がないこと」を意味するギリシャ語。難関、窮地などを指す。

p232
でも、実態を見てほしいんだ。実効的なのか気休めなのか。気休めの代償は何か。代償が高いのに気休めを欲しがるほど不安が蔓延するのはなぜか。

p247
何かというと田吾作同士が足を引っ張り合う日本じゃどうもダメだ

p266
見るからに怪物(笑)で、相手に緊張を強いるタイプ。これでいいの!?

p267
不安なことを想起するのは容易いが、幸せを想起するっていうのは、やっぱり難しい。

p306
アメリカって、そういうローカリゼーションを犠牲にして資本主義を前進させてきたんですよ。

p319
アイロニストだから、いわばウィンクしながら言ってる。