[読書メモ]『考えながら書く人のための Scrivener 入門』

p10
「最初からメモアプリではなく、Scrivener に一本化すればよいのでは」という意見もあるかもしれませんが、メモアプリに自由に書いていたアイデアを整理することによって思わぬ閃きがあるので、二度手間になってもこの方法をとっています。

p12
仕事で書いていると、理不尽な理由でボツにされたり、書いたものが評価されなかったりと、長い作品を時間をかけて書いた割に報われないことが多々あります。だからプロの小説家は「書くこと」が病的なほど好きな人が向いていると思います。

p47
一般的に Mac 用アプリケーションでは、ファイルの内容が変更され、かつ、ファイルへ保存されていない間は、ウインドウの左上にある赤い丸の中に黒い点が表示されます。

p58
作品の構成を考えるときは、章のような最も大きな枠から分けて上位から見出しを立てていく「ブレイクダウン型」の場合と、個別のトピックを書き並べグループ化することで小さい枠を作り下位から見出しを立てていく「ボトムアップ型」の場合の、両方があるでしょう。あるいは、1つの作品の中でも、その双方から考えることもあるでしょう。

p255
日本語の文章では、段落冒頭に全角1文字分のスペースを入れて、段落の始まりであることを示す「字下げ」というルールがあります。ただし、近年はメディアの多様化などに伴い、字下げしないように統一されるケースも増えています。字下げしない場合は段間を広げることが多いので、これもあわせて検討する必要があります。

p226
とくに文芸書や小説投稿サイトでは括弧で始まる段落は字下げしないことが一般的ですので、その区別も必要です。

p348
筆者は1冊の原稿を書くときに、20 回以上はコンパイルして PDF で推敲しています。PDF のようにすぐに書き換えられないファイル形式へ出力すると、意識が「書く」モードから「読む」モードへ変わり、たちまち多くのミスや改善点を発見できるからです。このときにフォントの種類やサイズ、行の折り返し位置などが変われば、さらに効果的です。自分の原稿をレイアウトする必要がなくても、コンパイルはこのような作業を自動化できるため、推敲ツールとしても役立っています。時間がないからとコンパイルをサボると、たいていつまらないミスが残ります。なお、編集者を交えた校正のやり取りは別途行いますが、事前に推敲を徹底しておけば短期間で終了します。

p380
書き終わったという経験を経るたびに成長している実感はあります。短くてもいいから、まず、書き終わろうということです。書き終わると全然違います。