Time4VPS に FileMaker Server を構築する1
Time4VPS に FileMaker Server をインストールすることにした。いろいろと試行錯誤をした結果をまとめよう。
第1回目は CentOS のインストールだ。
環境:macOS Catalina Version 10.15.6(英語環境) で SSH 接続
(1)Time4VPS で新しく Linux VPS を契約する。
Claris の公式の FileMaker Server for Linux の動作環境は以下のようになっている。
・CentOS 7.8
・CPU: デュアルコア
・RAM: 8 GB 以上
・ハードドライブ: 500 GB 以上、ファイルサイズに依存、ドライブの空き容量 20% 以上。ソリッドステートドライブ (SSD) の使用を推奨します。
参考:
Claris FileMaker 19 動作環境
https://support.claris.com/s/article/FileMaker-Server-19-System-Requirements?language=ja
Time4VPS のプランでそれに近いのは「Linux VPS」の「Linux 8」となる。
・CPU: 2 x 2.6 GHz(Intel® Xeon® Gold 6132)・RAM: 8192 MB(DDR4-2666 ECC REG)・Storage: 80 GB(RAID protected SSD)・Bandwidth: 8 TB(100 Mbps)
・Port speed: 100 Mbps
・Virtualization: KVM
参考:
Cheap Linux VPS – performance, security, scalability – Time4VPS
https://www.time4vps.com/linux-vps/
SSD の容量だけが全然足りない。Bandwidth だけはオプションで 1Gpbs に変更できるが、SSD は増やせない。
でも一か八かこのプランを試してみることにした。
最初はお試しとして1ヶ月分(9.99 ユーロ;約 1381 円)だけ申し込んだ。オプションなどは何も付けなかった。PayPal で支払った。
(2)「Dashboard>[対象 VPS]>Manage>Install OS」をクリック。
・CentOS 7 (64-bit) を選択。
・SSH key にチェックを入れる。以前 SSH key は設定したのでそれを使う。「Use SSH key」にチェックを入れて、該当の SSH Key を選択。
・「Run Init Script after OS install」はチェックをしない。
・「Are you sure you want to reinstall server?」を「Yes」にチェック。
これで Install をクリックする。
5分弱でインストールが完了した。表示される、Host、IP、パスワード(root 用)をメモ。
(3)Mac のターミナルで SSH 接続できることを確認する。
$ ssh [ホスト名(〜.time4vps.cloud)] -l root
(4)root のパスワードを Time4VPS のデフォルトから、別の複雑なものに変更する。
# passwd
(5)タイムゾーンの設定。
現在の設定を確認する。
1# timedatectl
2 Local time: Fri 2021-05-14 09:02:09 EEST
3 Universal time: Fri 2021-05-14 06:02:09 UTC
4 RTC time: Fri 2021-05-14 06:02:07
5 Time zone: Europe/Vilnius (EEST, +0300)
6 NTP enabled: yes
7NTP synchronized: yes
8 RTC in local TZ: no
9 DST active: yes
10 Last DST change: DST began at
11 Sun 2021-03-28 02:59:59 EET
12 Sun 2021-03-28 04:00:00 EEST
13 Next DST change: DST ends (the clock jumps one hour backwards) at
14 Sun 2021-10-31 03:59:59 EEST
15 Sun 2021-10-31 03:00:00 EET
日本に変更する。
# timedatectl set-timezone Asia/Tokyo
変更されたことを確認する。
1# timedatectl
2 Local time: Fri 2021-05-14 15:03:51 JST
3 Universal time: Fri 2021-05-14 06:03:51 UTC
4 RTC time: Fri 2021-05-14 06:03:49
5 Time zone: Asia/Tokyo (JST, +0900)
6 NTP enabled: yes
7NTP synchronized: yes
8 RTC in local TZ: no
9 DST active: n/a
(6)一般ユーザーを追加する。
# useradd [ユーザー名] -m
-m オプションを付けることでホームディレクトリを作成する。
一般ユーザーのパスワードを設定。
# passwd [ユーザー名]
(7)sudo 設定。合わせて wheel グループを追加。
(7-1)
$ visudo
i で編集モードに入る。
変更前:
## Same thing without a password
# %wheel ALL=(ALL) NOPASSWD: ALL
変更後
## Same thing without a password
%wheel ALL=(ALL) NOPASSWD: ALL
Esc キーでコマンドモードに戻り、:wq で上書き保存をする。
(7-2)ユーザーを wheel グループに追加。
$ usermod -aG wheel [ユーザー名]
(7-3)一旦ログアウト。
# exit
一般ユーザーでログインできることを確認する。以降一般ユーザー。
$ ssh [ホスト名(〜.time4vps.cloud)] -l [ユーザー名]
以下のコマンドでホームディレクトリが作成されていることを確認できる。
1$ pwd
2/home/[ユーザー名]
自分のグループを確認。
1$ groups
2[ユーザー名] wheel
(8)ファイアウォールの設定。
サービスの起動。
$ sudo systemctl start firewalld.service
サービスの状態確認。
1$ sudo firewall-cmd --state
2running
自動起動の有効化。
$ sudo systemctl enable firewalld.service
自動起動の確認。
1$ sudo systemctl is-enabled firewalld.service
2enabled
ssh を許可しようとしたら許可済みだった。
1$ sudo firewall-cmd --add-service=ssh --permanent
2Warning: ALREADY_ENABLED: ssh
3success
(9)ここで OS のアップデートと行きたいところだが、普通にアップデートすると CentOS のバージョンが 7.9 になってしまう。これでは FileMaker Server の動作環境の 7.8 とは異なってしまう(実際に 7.9 では FileMaker Server をインストールできたがうまく動かなかった)。
そこでアップデートのバージョンを 7.8 に固定する作業が必要になる。
現在の OS バージョンを確認する。
1$ cat /etc/redhat-release
2CentOS Linux release 7.5.1804 (Core)
(10)現在バージョン 7.5 なので、以下のサイトで固定したいバージョン 7.8 の正確なバージョン名を確認する。
CentOS 7.8 は 7.8.2003 があると分かった。
(11)root になる。
$ su -
(12)/etc/yum/vars/releasever というファイルを作成し、2で確認したバージョンを記入、保存。以下のコマンドを使うと簡単だ。
# echo 7.8.2003 > /etc/yum/vars/releasever
(13)/etc/yum.repos.d/CentOS-Base.repo を編集するため、念のためバックアップを作成しておく。
# cp /etc/yum.repos.d/CentOS-Base.repo /etc/yum.repos.d/CentOS-Base.repo.BAK
(14)/etc/yum.repos.d/CentOS-Base.repo に記述されているレポジトリ情報を以下のように書き換える。
変更前:行頭の mirrorlist
変更後:#mirrorlist
変更前:行頭の #baseurl
変更後:baseurl
変更前:mirror.centos
変更後:vault.centos
変更前:centos.mirror.serveriai.lt
変更後:vault.centos.org
(15)yum のキャッシュをクリアし、update を実行。
1# yum clean all
2# yum update --exclude=kernel*
(16)OS バージョンを確認する。
1# cat /etc/redhat-release
2CentOS Linux release 7.8.2003 (Core)
7.8 になれた。
次回は FileMaker Server のインストールをする。
参考:
CentOS 7 のタイムゾーンを変更する手順 |
https://weblabo.oscasierra.net/centos7-timezone-1/
Userの追加・削除(CentOS) – Qiita
https://qiita.com/araish/items/b6a408e09f34e0845db1
【Redhat 7】useradd で作成したユーザの初期パスワードは何か | Redhat Enterprise Linux 7.2
http://tooljp.com/linux/Redhat7/faqRedhat7/html/what-is-password-useradd.html
CentOSでuserをsudo可能にする – Qiita
https://qiita.com/Esfahan/items/a159753d156d23baf180
suzu6.net
https://www.suzu6.net/posts/144-centos-su-user/
CentOS 7 firewalld よく使うコマンド – Qiita
https://qiita.com/kenjjiijjii/items/1057af2dddc34022b09e
ファイルやディレクトリをコピーするcpコマンドの使い方!【Linuxコマンド集】
https://eng-entrance.com/linux_command_cp
利用するCentOS 7のバージョンを固定するには – ytooyamaのブログ
https://ytooyama.hatenadiary.jp/entry/2017/01/07/003908
CentOS7,firewalldでhttpとsshだけ許可する設定 – Qiita
https://qiita.com/miyazawa214/items/88bb5e3a8c8b2c7840a1