[読書メモ]『3日もあれば海外旅行』

p8
「フラッシュパッカー」という言葉をご存じだろうか。近年耳にするようになった言葉で、ざっくり説明すると、バックパッカーのような自由旅行をしながらも極端な節約はせずに、使うべき局面ではそれなりにお金を使う旅人のことをいう。

p9
いわゆる従来型の貧乏旅行は「バジェットパッカー」などと呼び、区別する人もいるようだ

p23
1ヵ月も仕事を休むなんて、日本で真っ当な社会人をしている者にとっては夢のまた夢だろう。

p27
ほかの趣味や娯楽を我慢して、そのぶんを旅の資金に充てればいい。それができない人は、そもそも旅の優先順位が低いわけだ。頻繁に旅に出かけていると誤解を受けやすいが、旅を最優先にして生きている人ほど日常生活は質素だったりもする。

p27
入ってくるお金を増やすよりも、出て行くお金を減らすほうが難易度は低い。

p41
金額で選ぶのはあまり感心しない。

p45
ツアーの中でも、航空券と現地空港送迎、ホテルのみがセットになったフリープランの人気が高い。いわゆる「スケルトンツアー」と呼ばれる商品だが、全体の5割を超すとの調査結果も出ている。団体行動は嫌だけれど、自力で全部手配するのも面倒、という人のニーズにマッチするのだろう。

p55
旅立ちには、ある種の「勢い」のようなものがついて回る。気分が盛り上がっているタイミングで実行すべきなのだ。先送りしてしまうと、計画は頓挫(とんざ)しがちである。

p97
エコノミーの空席がほとんどなく、ビジネスに空きがある場合、エコノミーの客をビジネスに移して捌(さば)くことがある。インボランタリー・アップグレード、俗に「インボラ」と呼ばれる、航空会社都合による無償アップグレードだ。

p111
アーリーチェックイン

p136
旅の熱意はエスカレートするものである。一度その魅力にどっぷり浸かると、底なし沼のようにずぼずぼ奥深くまではまっていく。

p203
機内への忘れ物を調査した興味深いデータを紹介したい。[…]最も多い忘れ物は本だという。

p205
いまさら書かずとも賢明な旅人なら承知の事実だろうが、ガイドブックに掲載されている情報は、よくも悪くも偏っている。広告主に配慮した提灯記事は珍しくないし、取り上げる店も大人の事情に左右されている感は否めない。

p206
たとえば、ホテルの紹介文で「部屋はこぢんまりとまとまっていて機能的」などと書いてあったとする。裏を返せば、これは「部屋は狭い」という意味だ。ネット上のクチコミやレビューに慣れてしまうと、この手のオブラートに包んだ物言いに困惑しがちだが、悪い部分をストレートに「悪い」と書くのは、商業誌ではタブーなのである。

p206
クチコミの評価の厳しさは日本人特有のものだ。トリップアドバイザーなどグローバルに展開するサイトを見ると、そのことがよく分かる。日本人は「ひどい部屋だった」「まずかった」などと平気でマイナス点をあげつらっているが、英語のクチコミを見ると、そこまで直球で悪口を綴っているケースは珍しい。

p216
Wi-Fi ルーターとスマホの両端末の電池残量を気にかけなければならないのはスマートさに欠ける。

p233
シートモニタをやめ、代替として iPad を利用しようと試みる航空会社も出てきた。サービスの一環として有料で iPad を貸与する LCC もすでにある。シートモニタを全廃して iPad に置き換えると、機体が約7パーセントも軽くなるという調査結果も出たという。機体が軽くなればそのぶん燃料効率がよくなるので、結果的に低運賃として客に還元される可能性も出てくるだろう。

p234
スタンプラリー的な旅のスタイルは苦手だ。行ったことのない場所ばかりを常に目的地とする気持ちも、理解できなくはない。見知らぬ土地への憧れが旅の動機になることは、ぼくもよくある。けれど、訪問国数の多さが何かの勲章になるわけがないし、行きたくもない場所へ行く必要はないだろう。