[読書メモ]『私のキリスト教入門―使徒信条による』
pp123-124
ルース・ベネディクトというアメリカの文化人類学者が、第二次世界大戦中に日本人のついて研究し、『菊と刀』というたいへんおもしろい本を書きました。日本語にも翻訳されています。彼女の結論を一言でいうと、欧米の文化は<罪の文化>であるのに対し、日本の文化は<恥の文化>だというのです。上述したように、日本人は<恥>を行為の基準としているのに対し、欧米のキリスト教文化の中で育った人は、<罪>が行為を判断する基準となっているというわけです。罪というのは、人が見ているかどうかは問題ではなく、ある行為が正しいか正しくないかを問うているのであり、正しくないと思われる行為をしたときには、<良心>の呵責(かしゃく)を感じるということです。