[読書メモ]『イギリス式生活術』
p33
「クリケットをプレイする」という英語の言葉は、辞書を引けばわかるが「公明正大に振舞う」「フェアに行動する」との意味である。「それはクリケットではない」との言葉は「それはフェアではない」との意味でもある。
p34
ゴルフのスコアは自己申告制だからフェア・プレイを最も大切にするスポーツといわれる
p47
少しぐらいいいではないか、という精神をもつことは禁物である。
p57
失踪者の中で男性の数は女性の二倍である。
p72
米国の評論家 H・L・メンケンは「恋愛は戦争と同じだ。始めるのは易しく、終えるのはむつかしい」といった。
p130
「ワインに溺れるものは、海で溺れるものより多い」といった先人の言葉が健全であるかぎり、「私はワインを飲んでいることを忘れるためにワインを飲む」といった人間がいるかぎり、ワインの人気は続くだろう。
p135
一杯の酒で長生きしようと考えるのは、なかなか難しいことなのである。
p176
イギリス人は、トイレを使いたいとき、「トイレはどこにありますか」とか、「トイレをかしてください」などと積極的には言わない。「手を洗ってもよろしいでしょうか」「お休みどころはどちらにありますか」とぼかして聞く。
pp178-179
イギリスの金融街シティのオフィスで「ユニセックス・トイレ」が使われ始めた。[…]こんなトイレが増えたのは、テレビ・シリーズ「アリー・マクビール」(日本では「アリー・マイ・ラブ」として放映)の影響もある。
p196
ニューヨークの作家エリザベス・ヘマーディンガーさんは「これまでそんな言葉は言ったこともないのに、われわれは今やフルーツ・サラダという言葉と同じくらいに言うようになってしまった」と指摘する。つまり紳士・淑女がけっして使わなかった品のない言葉を日常生活で使うようになったという嘆きである。
p198
淑女が紳士から誘われたとき「イエス」といえば、「多分」の意味である。淑女が「多分」と答えたら、「ノー」を意味している。「ノー」と答えたら、淑女ではない。/これは、かの鉄血宰相ビスマルクが、淑女でなく「外交官」について述べたジョークをもじったものである。「淑女」の代わりに、「外交官」といえば、話が通ずる。
p200
「フランス語の美しさを守るためには、女房を抵当にでも入れる」とされるフランスでは、アメリカ産の英語の侵入に過敏になっている。