[読書メモ]『さあ、音読だ』

p22
「十で神童、十五で才子、二十過ぎればタダの人」という昔からある標準タイプである。

p35
発音は基礎中の基礎である。基礎中の基礎ができないのに、応用中の応用である長文読解や英作文が得意になることって、ありうるのかね?

p56
いよいよ英語の音読を本格的に始めようとする時に、一番の障害になるのが「恥ずかしさ」。受験生ぐらいの年齢の諸君、特に男子諸君は、「恥ずかしい」と思ったり感じた瞬間に、その努力をタメライなく放棄してしまうことが多い。

p85
諸君、筆者は「丸暗記」だなんて、そんな前時代的な要求は一切していない。丸暗記なんか、必要性ゼロである。ただ単に「音読の回数が増えていくのを楽しみにしてほしい」と言っただけだ。

p146
一寸刻みに先延ばしにするのは、要するに「やりきるぞ!!」という信念が欠けているのだ。

p157
特に男子諸君。筆者もオトコだからよく覚えてるんだが、「キレイに勉強する」のがどうも苦手で、「汚くったって、同じダゼ」とか、すぐ反発する。しかし勉強を継続するのって、とにかくいろいろ難しい。自分の書いたノートが「汚いなあ」と思うだけで、すべてがイヤになる。

p163
単語について、「書いて、書いて、書きまくる」学習法を推奨したが、とにかく 21 世紀の受験生諸君に欠如しているのは、「書くこと」「メモをとること」に対する情熱である。

p171
「添削してくれ、ばかり言ってくるせいとで、合格したヤツはいない」[…]よいか、まずは講師から、または問題集の正解例から、どんどん、どんどん、盗めるものを盗んでいくことに全力を傾けるべきなのだ。

p182
「箇条書き」みたいなのって、すごく子供っぽい感じ。「第1に! 第2に!! 第3に!!!」と、自分の言いたいことだけグイグイ押し付けて、他人の意見には一切耳を貸さない。

pp208-209
ダメな人は、時間も敵に回してしまう。「いいかあ、時間との勝負だ」などという、とんでもないアドバイスを真に受けてるから、もうどうしようもない。しかし正確には、「制限時間」だって味方なのだ。/時間制限があるからこそ、時間内に解ける自分が合格できる。時間無制限だったら、やっぱり実力のない者が合格する可能性が出てきて、かえって不利なはず。

p222
そういうなかで、驚かされるのが生徒たちの意識が非常に古くさいということ。/「法学部・経済学部出身、工学部系だと、就職に有利だ」/「文学部や理学部を出ても、就職はない」/「やっぱり、就職のためにはツブシのきく学部だ」/という、まあ、とにかくずいぶん時代遅れな意識の持ち主が多い。「多い」というより、ほとんどがそうである。

p223
「法学部が有利」/「経済学部が有利」/「工学部や薬学部が有利」/という発言は、裏を返せば/「そういう学部を出てさえいれば、魅力も実力もなしに生きていける」/という、きわめて甘い意識だとしか言いようがない。

p225
自分が何を勉強したいのかを二の次にして、知的な関心を犠牲にして、終章への有利さを優先するという姿勢は、ハッキリ言ってあまりにも不誠実な発想なんじゃないか。

pp228-229
第1志望に合格したら、すぐに海外に目を向けたまえ。チャンスがあれば、すぐ海外留学を試みたまえ。「トビタテ!!」であって、筆者はそういう広い視野を持った諸君の爆発的増加を夢みている。東大卒とか京大卒であることが、一章の勲章みたいに思っているんじゃ、ホントにそれは昭和の亡霊にすぎない。

p230
「日本で当たり前であることが、海外ではどれほど当たり前でないか。それを諸君にもその目で見てきてほしい」